≪トピックス≫ 作家 谷克二に期待する
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UMKテレビ宮崎制作による、シリーズ「宮崎の大自然を探る」の放映が先月終了した。 谷克二氏がインタビュアーとなって各地を訪れ、紹介する番組である。私たちが身近に接する、ありきたりな風景にも、彼の解説で、その地の歴史が語られると、TVに映る深い山あいや、緑のすそ野から、突如、戦国時代の旗がたなびき、砲煙が上がり、雄叫びが聞こえてきそうな光景がオーバーラップして、あたかも、一瞬、その時代にタイムスリップしたかのような思いで興奮した。 TVで、久方ぶりに郷土を俯瞰すると、その風景は悠々閑々として、一昔と全く変わりないような気がする。だから、TVに映る山河の光景は100年、200年前の歴史を容易にシミュレートすることが出来るのだ。此処では、誰でも、その気になれば、幻を体験する。 谷克二氏は自然の中での人間の営みを多く物語る。その原点は彼が少年期を過ごした郷里の自然での体験であり、哲学であるようだ。「老猿」や「黒潮」の作品は郷土の山や川や海がその舞台となるから、私たちをことさら、臨場感あふれる世界に誘って、その楽しさを倍加させてくれる。 東京在で、彼ほど、故郷に目を注ぎ、常に関心を持って、この風土を愛おしむ人を私は知らない。 「これからの宮崎はどうあるべきか」は彼のライフワークである。TVや小説で郷土を取材し推考しながら、彼はそのグランドデザインをじっくりと暖めているはずだ。その構想をぜひ聞かして欲しい。 宮崎県の経済や文化が、他県のそれに比べ、立ち遅れる要因はそれなりの人材がいないことだ。今こそ、彼を招聘すべきである。私たちの期待に、彼は喜んで応えてくれるのではないか。 |
住所/〒176 東京都練馬区中村南 2-13-5 |
谷克二(たにかつじ)/作家
作品/越境線(角川書店) |